歯のマメ知識 妊娠〜出産後の患者さんに現れる口腔と心身の変化🤰🍼 2021.10.24 吉田 琴奈 みなさん、こんにちは🎃🍬 堺市北区北花田 医療法人幸優会さかなか歯科 歯科衛生士の吉田です👼🏼 この1週間でうんと寒くなり、秋飛び越え冬がもうすぐそこへ来たように感じます⛄️ 急な気温の変化ですが、お身体冷やさないように体調には気をつけて下さいね☘️ 今日は妊婦さんのお口や体の変化についてお話していきます🤰🌟 ➀女性ホルモンの変化による口腔の変化 妊娠により女性ホルモンの分泌が急激に高まると、口腔内はさまざまな変化が生じてきます。 女性ホルモンの増加により、歯周病原性菌が増殖しやすくなり、プラーク中の歯周病原性菌の比率が高まります。 同時に歯肉自体の反応性も変化し、血管の透過性が高まるために炎症や出血が起きやすくなることで、歯肉炎がしょうじやすくなったり、すでにあった歯周炎が悪化しやすくなります‼️ また、唾液の粘稠性が高まるため、口腔内の自浄性が低下してプラークの増加に繋がります‼️ このため妊娠中の患者さんでは「今までと同じように磨いているのに、歯茎から出血しやすくなった🩸」とか、「口の中がねばねばする」「歯垢が溜まりやすい感じがする」などという訴えがよく聞かれます。 特に歯肉炎は最も多く見られる症状です。 ➁生活習慣の変化による口腔の変化 妊娠初期には「つわり」が起こりやすく、食生活や歯磨き🪥などの生活習慣に影響しやすいものです。 つわりの時には味や匂いに敏感になりやすく、食べられる物が限られたり、食欲不振になってり、逆に何か食べていないと気持ち悪くなったりします。 妊娠に後期になると食欲は出てきますが、胎児の発育により子宮が大きくなるため胃が圧迫され、一度に食べられる量が限られてくるので食事回数が増えていきます🍖 歯磨きも「つわりで辛かった」という妊婦さんは3割くらいですが、「奥の方までブラシを入れにくい」といったことも起きやすくなります⚠️ また、食事回数が増えると歯磨きが追いつかず、口腔ケア不足による歯肉炎の発生や、食事内容によっては虫歯の発生に繋がる可能性もあります⚠️ ➂歯周病と早産・低出生体重児出産 最近では、進行した歯周病が早産・低出生体重児出産のリスクを高めると言われています⚠️ 歯周病原性菌が血流にのって子宮に達すると、子宮内に炎症が起きて胎児の発育不良が生じるリスクが高まり、また歯周組織の炎症により産生されて炎症性サイトカインが子宮の収縮を誘発することが、早産のリスクになると考えられています‼️ 特に30歳代後半から40歳代の妊婦さんが増えている現状では、妊娠前に既に歯周病に罹患していることも少なくないため、妊娠中の歯周病の進行が早産・低出生体重児出産に繋がらないよう医療的介入も必要と思われます🔰🤱 ➃妊娠〜出産後の妊婦さんに生じる心の変化 妊娠中も出産後も、さまざまな身体的、環境的変化により、心の変化が生じてきます。 特にホルモンバランスの変化は、妊娠中・出産後ともに身体ばかりでなく精神面にも影響を及ぼし、精神的に不安定になりやすく、時には抑うつ状態を引き起こすことがあります🌀 妊娠中は、女性ホルモンのなかでもエストロゲンよりプロゲステロンが優位になるため、むくみやだるさ、眠気、便秘などの体調不良が起こりやすく、気分も内向きになりやすいと言われています💤 また、最近では妊娠後も働いている妊婦さんが多く、仕事のセーブや産休の取り方、職場復帰の問題まで抱えて悩んでいることも少なくありません👩💻👨💻 また、出産後に女性ホルモンが急減すると、骨量の減少や抑うつ傾向が見られやすくなります🌀 特に出産後は自身の体調回復にも時間がかかることがあり、頻回の授乳や慣れない育児でストレスが溜まりやすいものと考えられます🤰 ➄妊娠中の歯科的アドバイス ・ヘッドの小さい歯ブラシを使用する ・歯磨きは無理せず、体調が優れている時でよい ・気持ち悪くなければ、リフレッシュ効果のため歯磨き粉を使用する ・フロスはホルダー付きの方が嘔吐しにくく、簡単に奥歯も届く ・口腔内の乾燥が気になられる場合はデンタルリンスを使用する まとめ 当院では、これから母親になる妊婦さんに口腔の健康管理の大切さを知って頂きたいため、つわりが落ち着いた4ヶ月以降での妊婦歯科検診をオススメしております👼🏼💗 検診によって自分の口腔の状態を把握することで、定期的な歯科受診を実践できたなら、その後も健康な口腔を維持できることでしょう🌟 1人でも多くの妊婦さんに口腔の健康管理の重要性を知ってもらい、必要であれば歯科治療を受けて頂けるような支援をさせて頂きたいと思っております☺️ 是非御来院お待ちしております☘️ この記事を書いた人 歯科衛生士 吉田 琴奈 KOTONA YOSHIDA