さかなか歯科|堺市北区北花田の親子で通える歯医者さん(小児歯科・予防歯科・審美歯科・インプラント)

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歯のマメ知識

唾液のはたらき💧

吉田 琴奈

皆さんこんにちは☀️

堺市北区北花田 医療法人幸優会さかなか歯科の衛生士の吉田です🍀

皆さん、唾液には色々な働きがあることをご存知でしょうか??

実は日頃生活している中で、唾液は口腔内の組織を滑らかにして飲み込む機能や、発音に関わる機能をサポートするだけでなく、歯や粘膜に起こるトラブルから様々な方法で防御しています💧

口の中には唾液腺と呼ばれる唾液を作り出すもとの部分があります。

唾液腺で作られた唾液は、道管を通り、唾液腺開口部というところからお口の中に放出されます。

唾液の成分は、その99.5%を水分が占め、残りが各種酵素、電解質で構成されています。

成人の場合、1日あたり1〜1.5ℓ程度放出されます。

ただし、加齢的な影響を受けやすい性質があり、30代をピークにして減少し始めます。

70代までにはピーク時の3割程にまで減少してしまいます👴🏻

また、唾液の分泌量は、時間により変化します。

食事中は増えますが、睡眠中は減少する傾向にあります🥱💤

また、精神的な影響を過分に受ける傾向にもあり、例えば、緊張すると唾液の量が減少して口が渇いてきますし、酸っぱいものを目の前にしなくても想像するだけで唾液はでてきます🍋

唾液のはたらき

➀粘膜保護・潤滑

唾液が歯や口腔粘膜を覆うことで、細菌による刺激や感染、歯の摩耗・脱灰を防いでくれます🦠

また、潤いによって舌や喉の動きが滑らかになり、食事や会話がスムーズになります👄

➁自浄

1日1ℓ以上も分泌される唾液は、口内細菌や食べ物のカスを洗い流す役割も担っています。

これを自浄作用や、洗浄作用と呼び、主に食事中の咀嚼行為によって活発に行われる働きです。

➂水分平衡

呼吸や会話で、口内は常に乾燥の危機に晒されています。

乾燥すると細菌が繁殖しやすくなったり、感染や刺激を受けやすくなってしまうため、ある程度の潤いが必要です💧

唾液の分泌は口内の水分量を調節する役割もあります。

➃緩衝

唾液に含まれる炭酸、重炭酸、リン酸などの成分は口内のphバランスが酸性、アルカリ性のどちらかに傾かないよう、調整してくれます。

細菌は口内の食べカスをエサにしますが、分解時に有毒ガスや酸を発生させ、脱灰を起こし、虫歯の初期症状にもなってしまいます⚠️

しかし唾液が口内のphバランスを整えることで、歯の脱灰を防いでいます。

➄抗菌

リゾチーム、ペルオキシターゼ、免疫グロブリン、ラクトフェリンなどを含む唾液は、口内に侵入した細菌の活動を抑えています。

自浄作用とともに細菌の繁殖を阻害する重要な役割です。

➅消化

唾液中に含まれる消化酵素アミラーゼは、デンプンと反応して麦芽糖へ分解します。

咀嚼によって食べ物と混ざり、消化を助けています👄

➆組織修復

上皮成長因子と神経成長因子が含まれる唾液は、組織修復による傷の治癒を促してくれます❤️‍🩹

「ケガをした時に唾をつけておけば治る」という考えは、この組織修復によるものです。

➇再石灰化

カルシウムイオン、リン酸イオン、フッ素イオンを含む唾液は、食事によって一時的な脱灰状態になった歯のエナメル質の再石灰化を促してくれます🦷

正常な再石灰化が起こることで、脱灰状態の進行を防ぎ、虫歯のリスクを軽減できます。

➈排出

毒素や異物が口内に入ってきた時、唾液がまとわりつくことで体を守り、排出しやすくします。

また、体内に投与された薬物の一部が唾液中より排出され、血中濃度を減じる作用をいいます。

唾液が減ることで起こる影響

➀虫歯になりやすくなる

唾液は虫歯菌が作り出す乳酸を中和してくれる作用があります🍭

虫歯はこの乳酸が歯を溶かすことで起こることが分かっています。

唾液の量が減少すれば、乳酸を中和する作用が低下して、乳酸が歯の表面を溶かすのを防ぐ力が低下してしまいます。

また、唾液中に含まれる成分に、カルシウムやリン酸などの無機質があります。

虫歯菌が乳酸で歯の表面を溶かし始めたごく初期の段階であれば、これらの成分のおかけで歯の表面を修復することができます。

唾液の量が減ると、この歯の表面の修復量が低下します。

他にも、口内の食べカスを洗い流す力も低下しますので、歯の表面などに食べカスが残留してしまいます🧁

虫歯菌はこれらの食べカスを栄養源として増殖していきますので、唾液の量が減ると、虫歯菌が増えやすい環境を作ってしまうことになります。

また、虫歯菌が食べカスを分解した後の代謝産物として、乳酸が産生されますから、乳酸の増加にも繋がります🍨

➁歯周病になりやすくなる

唾液の量の減少は、虫歯のリスクだけでなく、歯周病を進行させるリスクも伴います。

歯周病は、ポルフィロモナス・ジンジバリスなどの歯周病菌が原因であることが分かっています🦠

唾液のもっている抗菌作用には、歯周病菌が増えすぎないようにコントロールする働きがあります。

唾液の量が減ると、歯周病菌が増えるのを抑えることが難しくなり、歯周病を進行させてしまうことになります🦷🩸

➂入れ歯が痛くなりやすい

歯茎は弱い部分です。

入れ歯はその弱い歯茎に乗っています。

唾液の量が十分にありますと、唾液が潤滑剤の役割を果たしてくれますので、入れ歯が擦れて痛くなることはないのですが、唾液の量が減りますと、歯茎に直接入れ歯が接触するようになります。

この為に、入れ歯が擦れて、歯茎に傷が付きやすくなります⚠️

また、総入れ歯の方は、唾液が入れ歯と歯茎をぴったりくっつける役割を果たします。

硝子の間に水分があると、硝子同士が吸着して離れにくいのと同じ作用です。

➃口内炎ができやすくなる

お口の中は、歯という硬組織と舌・頬・歯茎・唇といった軟らかい組織から構成されてます。

動きを伴う場所で、硬組織と軟組織が擦れあうところは、身体の中には他にはありません!

軟組織は軟らかくて傷つきやすいところですから、そこに歯が当たりますと、容易に傷つき口内炎をつくってしまいます。

そこで、唾液が潤滑剤の役割を担い、軟組織と硬組織が直接触れ合わないようにし、軟組織を保護しています。

唾液の量が減りますと、軟組織を守る作用が低下しますので、傷つきやすくなることで、口内炎を引き起こしやすくなります⚠️

➄カビがはえる

カビがはえるという言い方をすると驚かれる方も多いかも知れません。

口の中にできるカビは、カンジダという真菌が原因で出来ます🦠

カンジダ菌は常在菌といって、元々口の中にいる菌で、通常は免疫力のおかげで数が増えすぎないように抑えられています。

体調が悪くなったりすると、免疫力が低下して口の中に症状が現れてきます。

しかし、唾液の量が減ることでも、その抗菌成分が減少することと、粘膜を傷つけやすくなることで弱くなり抵抗力が低下しますので、カビが生えやすくなります⚠️

この記事を書いた人

歯科衛生士

吉田 琴奈 Kotona Yoshida

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